資格キャリアガイド

第三種電気主任技術者(電験三種)の転職・年収ガイド

建設・技術難易度: ★★★★☆更新日: 2026年3月26日

年収目安: 450万〜750万円

電験三種とは——転職市場での価値

第三種電気主任技術者(電験三種)は、電気設備の保安監督を行うための国家資格です。電圧5万ボルト未満の電気設備の保安・監督業務ができ、ビル・工場・発電所などあらゆる電気設備に配置義務があります(電気事業法第43条)。有資格者が「選任」されなければ電気設備を運用できないため、常に安定した需要があります。

合格率は例年8〜12%程度(科目合格制)。理論・電力・機械・法規の4科目があり、全科目合格が必要です。2022年度から年2回試験が実施されるようになり、受験機会が拡大しました。難易度は高いですが、その分取得後の市場価値は顕著です。

50代以上の有資格者が多く、若い電験三種保有者は転職市場でも引く手あまた。定年後の再就職先として電気設備管理の求人を探す需要も高く、長きにわたって活躍できる資格です。

年収データ——電験三種はどれくらい稼げるか

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」および職業情報提供サイト(jobtag)の電気主任技術者データを参照すると、年収分布は以下のとおりです。

経験年数・ポジション 年収目安 備考
取得直後〜3年 400万〜500万円 電気設備管理の現場スタッフ
3〜7年 500万〜600万円 一人選任・主任技術者として独立担当
7〜15年 600万〜700万円 チーフ・マネージャークラス
15年以上 700万〜800万円以上 施設管理責任者・部長クラス

電験三種の特徴は資格手当が充実していること。月額1万〜3万円の手当が一般的で、年間12万〜36万円の上乗せになります。さらに「選任手当」として追加支給する企業も多く、実態として給与水準は高めです。

独立系のビルメンテナンス会社や電気保安協会では、有資格者を積極的に採用しており、未経験でも資格さえあれば採用される案件が多いのが特徴です。

求人動向——どんな仕事に就けるのか

電験三種が有利に働く主な職種・業種を紹介します。

電気設備管理(ビルメンテナンス)

最も求人数が多い分野。オフィスビル・商業施設・病院・ホテルなどの電気設備の保安・点検・監督業務です。電験三種保有者であれば「主任技術者として選任」できるため、企業側の採用動機が強く、年齢や未経験を問わず採用されやすいです。

工場・製造業の設備管理

大型工場では自家用電気設備が多く、電気主任技術者の選任が法的に必要です。食品・化学・自動車など業種を問わず求人があり、製造業での安定したキャリアが築けます。化学・石油系は給与水準が特に高い傾向があります。

電気保安協会・保安法人

複数の事業所の電気設備を外部から保安管理するビジネスモデルです。一人の主任技術者が複数施設を担当する形で、訪問型の業務が中心。業界内でも給与水準が高めで、安定した雇用を提供しています。

太陽光・再生可能エネルギー関連

メガソーラーを始めとする再生可能エネルギー設備にも電気主任技術者の選任義務があります。電力自由化・脱炭素のトレンドにより、このジャンルの求人が急増中。EPC(設計・調達・建設)や運転保守(O&M)関連企業での採用が増えています。

電力会社・ガス会社

発電所・変電所の保安業務に電験三種以上が求められます。電力各社はグループ会社経由での採用も多く、安定性と待遇の高さから人気があります。

転職成功パターン

パターン1: 異業種(文系含む)→ ビルメン業界

電験三種があれば業界・職種未経験でも採用される最もオープンな分野です。30代・40代からの転職実績が豊富で、電気設備管理は体力的な負担も少なく長く働ける職場が多いです。

ポイント: 第2種電気工事士と組み合わせると実務面をカバーできる。「電気の理論は分かるが実務経験ゼロ」でも採用実績が多い職種です。

パターン2: 電気工事士 → 電気主任技術者

電気工事の現場経験を持ちながら電験三種を取得するルート。実務と資格が揃うため、年収・ポジション両面でのアップが狙えます。工事会社から設備管理会社への転職、または電気保安協会への転職が典型例です。

パターン3: 製造業内のキャリアアップ

メーカーの設備管理部門内で電験三種を取得し、主任技術者として内部昇格するパターン。資格手当・役職手当が加算され、同一会社での大幅年収アップが可能です。

パターン4: 電験三種 → 電験二種・一種

上位資格へのステップアップで大規模設備(66kV以上)の保安が可能になり、電力会社・大型工場・メガソーラー事業者で重宝されます。年収レンジが一段上がり、700万〜1,000万円の求人も視野に入ります。

おすすめの転職エージェント

電験三種保有者の転職には、技術系・設備管理に強いエージェントの利用が効果的です。

  • リクルートエージェント: 求人数が最多で、電気設備管理・製造設備管理の案件が豊富。まず登録しておきたい大手。
  • doda: エンジニア・技術職の非公開求人に強み。製造業・インフラ系の案件が充実している。
  • パソナキャリア: 中堅・大手企業の正社員案件が中心。設備管理職での年収アップ転職に強い。
  • マイナビエージェント: 中小〜中堅企業の電気設備管理求人が多く、地方での転職にも対応。

関連資格・キャリアパス

電験三種と組み合わせることで、キャリアの幅がさらに広がる資格:

関連資格 相乗効果
第1種・第2種電気主任技術者 上位資格取得で対応可能な設備規模が拡大。電力会社・大型発電所への転職が可能
第1種・第2種電気工事士 実務施工の資格。電験三種と合わせることで設計〜施工〜保安まで一貫して担当できる
エネルギー管理士 工場・建物のエネルギー管理義務(省エネ法)に対応。製造業での評価が上がる
建築物環境衛生管理技術者(ビル管) ビルメンの上位資格。電験三種とのダブルライセンスが設備管理職での最強コンビ
消防設備士 防火・消防設備の整備・点検。電気設備との親和性が高く、ビルメン現場で重宝される
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