資格キャリアガイド

キャリアコンサルタントの転職・年収ガイド

コンサルティング難易度: ★★★☆☆更新日: 2026年3月26日

年収目安: 350万〜600万円

キャリアコンサルタントとは——転職市場での価値

キャリアコンサルタントは、職業選択・能力開発・職業生活設計に関する相談・支援を行う国家資格です。2016年に職業能力開発促進法の改正で国家資格化され、「名称独占資格」として登録者数は年々増加しています。

合格率は実施機関(CC協議会・JCDA)によって異なりますが、おおむね60〜70%。学科試験と実技試験(ロールプレイング+論述)があり、難易度は「しっかり勉強すれば合格できる」レベルです。受験資格は「厚生労働大臣認定の養成講座修了」が主なルートで、費用は20〜30万円程度。

転職市場での価値は、単体では限定的ですが、人事・HR・人材業界・教育機関など「人のキャリアを支援する仕事」を目指す際の基礎資格として機能します。国が推進する「人的資本経営」や「リスキリング支援」の文脈でキャリアコンサルタントの役割が拡大しており、企業内での活用場面が増えています。

年収データ——キャリアコンサルタントはどれくらい稼げるか

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」および職業情報提供サイト(jobtag)のデータ等を参照すると、キャリアコンサルタントの年収は就業先によって幅があります。

就業形態・ポジション 年収目安 備考
人材紹介会社(キャリアアドバイザー) 350万〜600万円 インセンティブで大きく変動
人材派遣会社(コーディネーター) 300万〜450万円 派遣スタッフのサポートが中心
ハローワーク・就労支援機関 300万〜450万円 非常勤・委託が多い
企業内キャリア支援担当(人事) 400万〜600万円 大手企業で増加中
大学・専門学校(就職支援担当) 350万〜500万円 正規職員は安定、委託は変動
独立・個人開業(キャリアカウンセラー) 200万〜800万円以上 顧客獲得次第で大きな差
HRTech・研修会社 400万〜700万円 キャリア開発プログラム設計

キャリアコンサルタントの年収は、インセンティブ型の人材紹介業かどうかで大きく変わります。人材紹介会社のキャリアアドバイザー(CA)職はノルマ型の場合が多く、成果次第で600万円超も可能。一方、就労支援機関や大学の就職支援では安定した基本給の代わりに年収の上限が低い傾向にあります。

近年は企業内キャリアコンサルタント(社内異動支援・キャリア面談担当)の採用が増えており、大手企業でのキャリアコンサルタント保有者の需要は高まっています。

求人動向——どんな仕事に就けるのか

キャリアコンサルタントの活躍フィールドは多岐にわたります。

人材紹介会社(転職エージェント)

最も求人数が多い分野。転職希望者のキャリアカウンセリング・求人マッチング・面接対策などを担当するキャリアアドバイザー(CA)として働きます。リクルート・マイナビ・パーソルなどの大手から中堅・特化型エージェントまで幅広い。インセンティブ給の割合が高く、活躍次第で高収入が狙えますが、ノルマがある環境がほとんどです。

企業内(人事・HRBP・キャリア支援担当)

「人的資本経営」への注目から、大手企業が社員のキャリア自律支援・社内異動活性化のためにキャリアコンサルタントを人事部門に採用するケースが増えています。1on1面談の実施・キャリアデザイン研修の企画・社内公募の推進などが業務範囲。安定した雇用環境・福利厚生が魅力です。

ハローワーク・公的就労支援

職業相談員・就職支援ナビゲーターとして、ハローワークや地域若者サポートステーション(サポステ)、女性しごとセンター等に配置されます。公的機関の窓口で失業者・求職者の就職活動を支援する仕事で、社会貢献性が高い反面、委託契約・パートタイムの割合が高く、年収水準は低め。

大学・専門学校(就職課・キャリアセンター)

大学生・専門学校生の就職支援を担うキャリアセンタースタッフとして働くポジション。エントリーシート指導・模擬面接・業界研究支援など。正規の大学職員として採用される場合は安定していますが、委託・非常勤形態では待遇が下がります。

HRTech・研修・コーチング会社

キャリア開発プログラムの設計・コーチングの提供・組織開発支援を行う企業で、キャリアコンサルタント資格と組み合わせてファシリテーターやコンテンツ開発担当として活躍します。ITリテラシーや研修設計スキルを持つキャリアコンサルタントは希少で、年収水準が高い傾向があります。

転職成功パターン

パターン1: 人事・採用担当 → 社内キャリア支援専任

採用や人事オペレーションの実務経験を持ちながらキャリアコンサルタント資格を取得し、社内のキャリア支援専任担当へ転じるルート。人的資本経営を推進する大手企業でのポジションが増えており、人事経験者にとって最もスムーズなキャリアシフトの一つです。

ポイント: 「社内ジョブポスティング(社内公募制度)の運営経験」や「1on1面談の実施経験」を具体的にアピールできると説得力が増します。

パターン2: 人材紹介会社 → キャリアコンサルタント独立開業

人材紹介会社でキャリアアドバイザーとして実務を積んだ後、キャリアコンサルタントとして独立するルート。個人向けのキャリアカウンセリングサービス・コーチング・研修ファシリテーターとして起業するケースが増えています。SNS・メディア活用で顧客を獲得できれば、年収の上限はない一方、軌道に乗るまでの収入が不安定。

パターン3: 教育 × HR → 大学キャリアセンター正規職員

教員免許や教育系の経験を持ちながらキャリアコンサルタントを取得し、大学のキャリアセンター職員を目指すルート。競争率は高いですが、正規採用されると安定した雇用・給与体系となります。大学院修了者や教育学バックグラウンドの方に向いています。

パターン4: キャリアコンサルタント × 中小企業診断士

経営コンサルタント資格(中小企業診断士)とキャリアコンサルタントを組み合わせ、中小企業の「経営 × 人材」両面のコンサルを提供するポジションへ。商工会議所・よろず支援拠点・経営支援機関での活躍や、独立コンサルタントとしての差別化が可能です。

おすすめの転職エージェント

キャリアコンサルタントの転職には、HR業界・人材会社・人事部門に強いエージェントが向いています。

  • リクルートエージェント: 人材業界・HR系の求人が国内最多。キャリアアドバイザー・人事向け求人を幅広くカバー。
  • doda: 人事・HR・人材会社系ミドルクラスの転職に実績。キャリアコンサルタント保有者向けの求人が増えている。
  • MS-Japan(管理部門特化): 企業内人事・HRBPポジションへの転職に強い。大手・上場企業の非公開求人が豊富。
  • type転職エージェント: HR・人材・コンサル系の求人が多く、キャリアカウンセラーや企業内支援担当のポジションを探しやすい。

関連資格・キャリアパス

キャリアコンサルタントと組み合わせることで、専門性が高まる資格:

関連資格 相乗効果
1級・2級キャリアコンサルティング技能士 国家技能検定の上位資格。1級は指導者レベルで希少価値が高く、資格手当や報酬に差が出る
社会保険労務士(社労士) 労務・社会保険の専門知識 + キャリア支援のダブルスキルで、人事部門での評価が格段に上がる
中小企業診断士 経営 × キャリアの総合コンサルタントとして独自のポジションを確立できる
コーチング資格(ICF認定等) 国際コーチング連盟(ICF)認定の資格と組み合わせると、エグゼクティブコーチング分野での単価が上がる
産業カウンセラー 職場のメンタルヘルス支援 × キャリア支援の統合的アプローチが可能。EAP(従業員支援プログラム)分野で活躍できる
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